島田雅彦さんの「無限カノン3 エトロフの恋」を図書館で借りてきた。薄めの本だったので,一日で読み終えてしまった。
皇太子妃の元恋人?である主人公が,政略のために択捉島に移り住む話。でも,実際には政治策略のことなんてほとんど書かれていない。
ここで話の中心となるのは,シャーマンの存在。
死者と話ができたり,未来が見えたりする。確かに,シャーマンのような人は存在するのだろうが,本当なのかなと思ってしまう。
今までの「無限カノン1,2」は,なんとなく現実的でありえそうな話だったが,この「エトロフの恋」は浮世離れした,それこそ「黄泉の国」の話だと思った。夢を見ているような,そんな話だった。たくさんのことで挫折し,疲れ果てた主人公がたどりついた,フワフワした世界のように思えた。
ラストも結局,これといったはっきりした結末は書かれていなかった。本のまま,フワフワしたもので終わった。想像してくれということなのかな。
とにかく,これで「無限カノン」3部作は読み終えた。波瀾万丈だった主人公の人生が描かれていたが,こんな情熱的で熱い人生もいいなと思う。でもその分,つらいことも多いので苦しむことも多いのだろうが。
人生,いいことだけじゃなく,それと同じくらいつらいこともあるんだな。だから熱くなれるのかな,と思った。

